その他の海産物の料理法
アナジャコ サザエ シジミ ツメタガイ バカガイ ホンビノスガイ マテガイ モクズガニ
アナジャコ
寿司ネタなどでおなじみのシャコと似ているが、シャコは口脚目(シャコ目)シャコ科で、アナジャコは十脚目(エビ目)アナジャコ科で、分類上近いわけではない。
泥干潟に巣穴を掘って暮らし、プランクトンやデトリタスを口ヒゲで漉し取って食べる。
体長10cm程度で殻はあるが柔らかい。干潟で巣穴を見付け、筆などを差し入れると異物を排除しようとしたアナジャコが筆を押し返して上がってくるので、素早く捕まえる。(詳しい捕獲方法→ブログ・房総爆釣日記の過去記事)
火を通すと赤くなり、身は甘みがあっておいしい。調理する前によく洗い、泥や砂をきれいにしてから料理する。
捕獲方法は、こちらの電子書籍でも紹介しています。よろしければご一読を!
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【ソテー】
フライパンにバターを熱し、アナジャコを入れて焼き、塩コショウを振る。好みでおろしニンニクを加えたり、ガーリックパウダーを振ると美味。
【チリソース炒め】
アナジャコは洗って、大きければふたつくらいに切っておく。鍋でみじん切りの長ねぎとショウガ、トウバンジャンを炒め、さらにアナジャコを入れ、色が変わるまで炒める。ケチャップ、酒、鶏ガラの素、水、片栗粉、ごま油を混ぜ合わせて入れて混ぜ、ひと煮立ちしてトロミがついたら完成。
【味噌汁】
アナジャコは洗って、大きければふたつくらいに切り、鍋に水とアナジャコを入れ、煮立てないようにして10分ほど煮る。あとは味噌を溶き入れ、お椀によそって長ねぎを散らせば完成。
【唐揚げ】
アナジャコはよく洗って砂・泥気をとって水気を拭き取る。素揚げでもいいし、片栗粉をまぶして揚げてもいい。塩をふっていただく。
サザエ
サザエは、通常漁業権が設定されているので、勝手に採取してはいけません。
海の近隣の土産物店や鮮魚店などで購入できるので、購入して味わおう。
【刺身】
殻をさっと洗ってから、金槌などで殻を割り、身を取り出す。または、蓋に沿ってナイフなどを差し入れ、身を取り出す。肝の部分を切り離し、水洗いしてから薄切りして盛り付ける。
【炊き込みご飯】
殻をよく洗ってから鍋に水と一緒に鍋に入れ、5分ほど湯がく。蓋の横に串などを差し入れて、身を取り出す。身を薄切りにし、といだご飯の上に刻んだしめじとともにのせる。濾したゆで汁、酒、塩、みりん、醤油を入れて水加減して炊く。全体を混ぜていただく。
シジミ
シジミの仲間にもいろいろな種類がいて、通常市販されているのはヤマトシジミやマシジミ。マシジミは淡水棲なので、今回アナジャコを採った干潟で一緒に掘ったこちらのシジミは、ヤマトシジミ(汽水棲)?とも思ったが、身の色が濃いオレンジ色なので、違う貝のような気も?
と思って調べたところ、オキシジミという分類上はシジミとちょっと違うが、見た目はシジミによく似た貝がいる様子(参考・ぼうずこんにゃくの市場魚貝類図鑑)
こちらはアサリ、ハマグリなどと同じマルスダレガイ科に分類されている。
【味噌汁】
砂抜き後、砂や汚れをよく洗ってから鍋に水と一緒に入れ、殻が開くまで火にかける。味噌を溶き入れていただく。
【網焼き】
シジミは海水程度の塩水に入れて、砂を吐かせておき、グリルや焼き網で貝の口が開いてジュージューするまで焼く。好みで醤油をたらしていただく。
ツメタガイ
タマガイ科ツメタガイ属の巻き貝で、日本では北海道以南から沖縄にかけて、砂浜などで普通に見られる。殻の直径が5cmほどで色は紫褐色から黄褐色。肉食性でアサリなどの二枚貝を捕食するため、アサリの産地などでは歓迎されない存在。ヤスリのような歯舌で相手の殻を削って穴をあけ、中身を食べる。
食用にされることは少ないが、地域によっては生食、煮付けなどで食べられる。愛知県知多半島では「うんね」、千葉県房総地域では「いちご」「いちごがい」、三重県南部では「ばんちょう」などと呼ばれる。
【刺身】
茹でて殻から出して洗い、薄く切ったものをいただく。わさび醤油のほか、酢味噌などでもおいしい。
バカガイ
バカガイ科バカガイ属の二枚貝。東南〜東アジア南部の浅海に分布。日本でも全国に分布。浅い砂地に棲み、プランクトンや出とり足すを食べている。
名前は、貝の隙間から足が出ている姿が、だらりとしたバカ者に見えるという説のほか、諸説ある。千葉では「アオヤギ」と呼ばれることが多い。
流通は殻付きの生よりも、剥き身にされての場合が多い。さっと湯通ししたものを刺身にしたり、かき揚げ、佃煮、ぬた、フライ、炊き込みご飯などにされる。
砂に入れておいても、アサリのように砂を吐かず、いつまでも体内に砂が残っているので、自分で採った場合は、さっと洗ってから湯がき、水にとって砂を洗いながら身を取り出す必要がある。
【刺身】
ゆでたてのものはそのままわさび醤油で。味噌やネギなどとよくたたいたなめろうも美味。
【バター炒め】
フライパンにバターを熱し、ホウレンソウ、マイタケ、剥き身にしたバカガイを炒め、塩コショウで味を整える。
ホンビノスガイ
マルスダレガイ科(アサリ、ハマグリなどと同じ科)の二枚貝。原産は北アメリカの大西洋側だが、船舶かバラスト水によって運ばれたと考えられていて、東京湾などで定着している。砂や泥の中に棲息。
アサリと違ってほぼ砂出しは必要ないが、そのままだとやや塩気が強くしょっぱいので、食べる数時間前に真水に浸けておくと、しょっぱさが薄れる。
アメリカでは、クラムチャウダーやバター蒸しなどで好まれる。アサリやハマグリと同様の食べ方でOK。
【パエリア】
エビ、イカ、鶏肉など好みの具を用意。フライパンに刻みニンニク、タマネギ、具を炒め、白ワインを注いでひと炒めして、洗ってざるにあげた米を炒める。トマト缶+サフランを漬けておいた水(米3合だったら3カップ分)、コンソメ、塩コショウを入れ、炒めた具とホンビノスガイを並べ、煮立ったら蓋をして弱火にして15分炊き、蒸らしてからいただく。
【お吸い物】
水にホンビノスガイを入れ、蓋が開いたら酒、塩、薄口醤油で味を整え、茹でた菜花を散らす。
マテガイ
マテガイ科マテガイ属の二枚貝で、馬手差(めてざし。腰刀の一種)に形が似ていることから名がついたとされる説、中国の武器・馬刀(まーたお)に似ているからという説などがある。東北以南の内海の砂浜に棲息している。
細長く、殻は薄く割れやすく、長さは10cmほど。塩分濃度に敏感で、急激な変化があると巣穴から飛び出すことから、巣穴に塩をまく方法で採取するのが一般的(詳しい捕獲方法→ブログ・房総爆釣日記の過去記事)
すぐに砂を吐くので、採取後はしばらく塩水につけておけば食べられる。酒蒸し、塩ゆで、バター焼きなどで食べられる。
捕獲方法は、こちらの電子書籍でも紹介しています。よろしければご一読を!
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【酒蒸し】
殻をよく洗ってからフライパンや鍋に入れ、酒少々を振って蓋をし、殻が開くまで熱する。キャベツやタマネギなどを入れると、うまみのある汁を吸って美味。
【パスタ】
フライパンにニンニクのみじん切りと薄切りにしたタマネギを炒め、マテガイを入れて白ワイン、塩コショウを振る。カリフラワーとパスタを茹でて加え、和えて味を整える。
【味噌汁】
鍋に水と洗ったマテガイを入れ、殻が開いてダシが出るまで煮て、味噌を溶きいれる。
モクズガニ
イワガニ科モクズガニ属の淡水域に棲む蟹の一種。いわゆる「上海蟹」(チュウゴクモクズガニ)の近縁種。
地域によっては「モクゾウ」「ズガニ」「ツガ二」「毛ガニ」などと呼ばれ、各地で食用にされている(漁協の管轄の川では、入漁料が必要なことも多いので採取の際は注意)
淡水の蟹としては大型で、甲幅8cmほど、体重200g近くに成長し、鋏脚に濃く毛がはえるのが特徴。秋から冬にかけては繁殖のため海へ下り、小ガニとなって夏に川をのぼる。
茹でガニにするほか、殻ごとつぶしたものに水を入れて漉した液で味噌汁を作ったり、雑炊や炊き込みご飯にされることもある。寄生虫のおそれがあるので、生食は厳禁。
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【茹でガニ】
シンプルな茹でガニは、甲羅の下の蟹味噌も味わえ、美味。
【ズガニ汁】
殻ごと包丁で割ったり、たたきつぶしたりして、さらにミキサーやすり鉢などで細かくし、水を注いだ後、ざるなどで漉したものを鍋に入れる。火にかけると身がフワフワとかたまってくるので、味噌を入れていただく。野菜やうどんを入れてもおいしい。
【ズガニうどん】
ズガニ汁と同様の手順で蟹のエキスを火にかけ、酒、みりん、醤油などで味を整え、茹でうどんを入れて少し煮込む。好みで野菜を足したり、刻みネギ、七味などを加えていただく。