美しい色と極上の味で、釣り味だけでなく食材としても王様・マダイ
【おいしさ度】★★★★★
とても美味な魚で、刺身、湯引き(写真上)、塩焼き、蒸し物、鯛飯、茶漬け、ちり鍋、揚げ物、アラ煮、かぶと焼き(写真中段)、香草焼き(写真下)、ムニエルなど、和洋中さまざまな料理に活かすことができる。
大型になると身が固くなるので、体長30~50㎝、重さ1~2㎏くらいのものが一番おいしくいただける。また、弾力のある食感を楽しむなら、釣りたての新鮮なものがおいしいが、下ごしらえをした後に冷蔵庫で身を熟成させることで、よりウマミのある味わいが楽しめる。
【刺身】
頭を落として三枚におろし、さく取りして皮を引き、切り分ける。通常の刺身ももちろん美味しいが、皮のすぐ下に脂のうまみがあるので、皮付きの“松皮造り”にするのもオススメ。さく取りした後、皮を上にまな板の上などに置き、熱湯をかけて即座に氷水に入れて急冷する。
水気をよく拭き取ってから平切りにして盛りつける。
【香草焼き】
洋風料理にしても、もちろん美味。
食べやすい切り身サイズにし、塩コショウを振った身とシメジにハーブとニンニクのすりおろし、オリーブ油をまぶし、グリルで焼き上げる。
縦割りにした頭(写真中)、カマなどでも同様に作れる。
【蒸し物】
骨からいいダシが出るので、蒸し物も絶品。
中華風にするには、ウロコや内臓、エラを取った後に薄めに塩・コショウを振り、皿にのせて日本酒をかけ、蒸す。白髪ネギを散らし、煙がたつまで熱したゴマ油をジャッッとかけ、醤油をかけていただく。
和風にするには、薄く塩をふり(写真は縦割りにした頭を使用)、昆布を敷いたお皿にのせる。マイタケと豆腐を添え、酒をまわしかけて、蒸し器で10分ほど蒸す。醤油、ポン酢、柚子胡椒など、好みのものをかけていただく。薄味好みならそのままでも十分美味。
かぶら蒸しにすると、料亭のような豪華な一品に。すりおろしたカブとあわ立てた卵白を混ぜたものを切り身にかけて蒸し上げる。蒸し汁に醤油やみりんを加え、とろみをつけたあんをかけ、わさびを添える。
【アラ煮】
型の良いマダイは、頭やカマだけでも脂ののった身がたっぷりあって、ぜひ活用したい。
頭はふたつに割り、さっと熱湯をかけて残ったウロコや血合いを落としてから醤油・ミリン・酒で煮付ける。下茹でしたゴボウやレンコンなどを一緒に煮るとおいしい。
【尾頭つきの塩焼き】
小型のものは、さっぱりと塩焼きもおすすめ。ウロコ、内臓、エラを取ってよく洗い、背側の身の厚いところには切り込みを入れておく。塩を少し多いかな?と思うくらい振って、しばらく冷蔵しておく。焼く時に日本酒少々をかけ、グリルで焼く。
【頭・中骨の塩焼き】
背骨の部分を焼いたものを「障子焼き」という。身を取った後の残りとはいえ、型の良いものだったらまだまだ身がついていて、しかも中落ち肉は美味しい。箸で上品に食べるのはかえって大変なので、手づかみでかぶりつくのが良いかも!?
【タイしゃぶしゃぶ】
さばいて身はそぎ切りに、一部は皮霜、または炙りにして切り分け、皿に盛る。アラでだしを取り、漉してから好みで塩を加え、野菜(白菜、大根、長ネギ、しめじ、しいたけ、水菜など)と豆腐を軽く煮て、タイの身をしゃぶしゃぶしていただく。ポン酢、醤油、ゆずこしょうなどを添えて、好みで加える。
【アクアパッツァ】
小ダイが釣れたらアクアパッツァが美味。ウロコ、エラ、内臓を除き、塩コショウをした鯛は、オリーブ油を敷いたフライパンで、サッと表面を焼き、白ワイン、水、干したミニトマト、スライスした玉ネギ、薄切りのニンニク、ローリエを入れ、蓋をして蒸し煮にする。塩コショウで味を整え、パセリを散らしていただく。
アサリなどの貝類があると、煮汁がますますおいしくなるので、あればぜひ加えたい。
【づけ丼&づけ茶漬け】
刺身と同様にさく取りした身を薄切りにし、醤油とみりんを混ぜたものに漬けてづけを作っておく。シンプルな刺身も美味しいが、みりんの風味が加わり、まろやかになったものも絶品なのだ。
ツマ少々の上に、づけを乗せていただけばづけ丼。
ご飯の上にづけを乗せ、お湯またはダシ汁(アラでダシをとればなお良い)をかけ、刻み海苔、ネギ、ゴマ、ワサビなどを添えればづけ茶漬け。
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