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アジ【鰺】釣魚料理編

刺身、寿司、タタキ、干物…食卓でおなじみのアジ!料理方法も多彩

 

【おいしさ度】★★★★★

アジはイワシやサバのようなクセがなく、日本人の味覚にマッチした魚で、ほぼ日本全国で獲れることもあって、食卓では非常になじみ深い魚。
小型のものほど傷みが早いので、釣れたら氷を入れたクーラーボックスなどでしっかり保冷して持ち帰り、下ごしらえも手早くするようにしたい。
料理方法は多岐にわたり、刺身をはじめとして、塩焼き、フライ、マリネ、干物とさまざまな料理で楽しめる。薬味野菜と一緒に叩いたタタキ、それに味噌を加えたなめろう、さらにそれを焼いたサンガなどの漁師料理も有名だ。

【刺身・タタキ】

刺身ももちろんおいしいが、薬味野菜との相性がいいので、タタキもお勧め!軍艦巻きのにぎり寿司にしても美味しい。
三枚におろしたアジは、皮を引いてから身を細く切り、薬味野菜(ネギ、ショウガのほか、大葉、ミョウガなどもよく合う)を入れて包丁でたたく。

【寿司】

刺身はもちろん、寿司も美味!三枚におろして腹骨をすき取った身は、小型のアジなら半身そのまま、大きなものはネタサイズに切り、酢飯(寿司酢は、市販品でも手作りでも好みで!)とワサビを用意し、握りあげる。
アジの握り寿司

【酢締め】

さっぱりとした酢締めは、目先も変わるし生より日持ちもするので、おすすめ。アジは三枚におろして腹骨をすき、塩を多めに振って30分ほどおく。酢水で塩を洗い流してから再び酢と昆布に好みの締まり具合になるまで漬けておく。
野菜の上に乗せ、サラダのトッピングのようにして食べても良いし、下の写真のように押し寿司にしても美味。ラップを広げ、酢締めのアジを細長くのせ、千切りのガリ、酢飯を乗せて棒状にラップを蒔いて整え、落ち着いてから切り分ける。
アジの酢締め

【なめろう】

作り方は「たたき」とほとんど同様。たたく時に味噌を入れて、たたきより細かくたたく。房総の郷土料理として有名。
丸めて青紫蘇を貼り付けて焼けば「さんが焼き」になる。
アジのなめろう

【干物・みりん干し】

新鮮なうちに加工するのが生臭くない干物作りのコツ。頭まで開きにしたアジは、腹ワタ、エラ、血などを取り除き、海水程度の濃さの塩水にしばらく漬けてから風通しの良いところで半日ほど干す。
三枚におろした身に軽く塩をふってしばらく置いた後、醤油+みりんの漬け汁に浸し、ごまを振って干せば、みりん干しになる(下の写真の左側)

アジのみりん干し

【フライ】

サクサクした衣とふんわりした身が美味しい永遠のお総菜。開きにして背骨を取り除いたアジは、塩コショウで下味をつけてしばらく置いた後、小麦粉・溶き卵・パン粉に順にくぐらせて、油でカラリと揚げる。
キャベツの千切りなどを添えていただこう。

【唐揚げ】

フライと同様に開いたアジは塩コショウをつけてしばらく置き、片栗粉をつけてカラッと揚げる。下味を醤油+酒にしたり、片栗粉にカレー粉や青海苔を混ぜると風味が変わって楽しめる。

【南蛮漬け】

ゼイゴ、腹ワタとエラをのぞいたアジは、軽く塩をふってしばらく置いた後、片栗粉をつけて揚げる。玉ネギ、ニンジンは細切りにし、小口切りの赤唐辛子、醤油、酢、ミリンなどで南蛮酢を作り、揚げたそばからアジを漬けていく。出来たてもしばらく寝かせてしっとりしたものも両方おいしい。

【塩焼き】

シンプルだけど脂ののったアジを使うと、ジュージューと脂がしたたり、格別のおいしさ。腹ワタ、ウロコを除いたアジに塩を振り、グリルで焼き上げる。

【づけ丼】

醤油+ミリンに刺身を漬けたものが「づけ」。それをご飯の上にのせて、白髪ネギ、おろしショウガ、ゴマなどを散らす。さばいた時に出た骨で潮汁を作って添えていただきたい。潮汁をづけ丼にかけてづけ茶漬けとしていただくのもオツ。
カットしたアボカドを一緒にづけにしてのせるのも、クリーミーで美味(写真下)

【さんが焼き】

なめろうを丸めて、大葉を貼り付けてフライパンなどで焼く。冷めても美味しいので、お弁当のおかずにもぴったり。

【フリッター】

アジというとフライにすることが多いが、洋風天ぷらであるフリッターもお手軽。
ビール、水、小麦粉、塩少々を混ぜ合わせて衣を作り、天ぷら同様に魚に小麦粉を薄くはたいた後、衣にくぐらせて揚げる。好みでケチャップなどを添えても。
ブロッコリー、きのこ類、ズッキーニなど、野菜も一緒に。

【さつま揚げ】

たくさん釣れた時などは、ミンチにして味わうのもオツ。三枚におろし、皮を引いてから身を細く切り、つなぎにパン粉少々、味付け用の味噌、おろし生姜を入れて包丁でたたく。フードプロセッサーがあれば、おろして皮を引いたアジとその他の材料を全部入れてまわせばあっという間。薄く笹がきにしたごぼうを混ぜ、丸めて油で揚げる。そのままでも、生姜醤油などをつけても美味。
和風な味付けに飽きたら、ナンプラーとレッドカレーペースト少々で味付けをし、パクチーを刻んで入れれば、エスニックなさつま揚げに(下写真)

アジのさつま揚げ

【アジージョ(アジのアヒージョ)】

エビなどで作る場合と同様。3枚におろして腹骨をのぞいたアジの身、にんにく、好みで赤唐辛子、彩り用の野菜(写真はブロッコリー。きのこ類、じゃがいもなど好みで)をスキレットなどに並べ、オリーブ油を回しかける。塩をパラパラと振って、弱めの中火で5分ほど揚げ煮にする。

アジのアヒージョ

【オイル煮】

アヒージョと似ているが、カタクチイワシのオイルサーディンの応用。3枚におろして腹骨を取った身に塩を振ってしばらく置き、水気を拭き取る。ローリエ、ローズマリー、ニンニク、赤唐辛子とともにフライパンに並べ、弱火でじっくりと揚げ煮にする。
そのままはもちろん、パスタやサラダなどに使うと美味しい。1週間くらいなら日持ちもするので保存にも最適。

パスタにする場合は、オイル煮の油で他の具材(写真はほうれん草としめじ)を炒め、アジとパスタを加えてざっと炒めて、塩こしょうで味を整える。

【コーンミール揚げ】

フライやシンプルな唐揚げに飽きた時にオススメ。コーンミールのサクサクプチプチした食感が新しい揚げ物。
三枚におろしたアジは、塩とドライハーブ(写真はバジル)を振ってしばらく置く。コーンミールをまぶしつけてカラリと揚げる。好みでケチャップを添えても。

【ピカタ】

ふんわりと柔らかく、子どもにも好まれる味。
3枚におろし、またはフライをするように開いたアジは、塩こしょうで下味をつけておく。卵をとき、乾燥ハーブと粉チーズを入れて混ぜておく。アジに小麦粉をはたき、卵液をくぐらせて、油を敷いたフライパンで両面を焼く。同様に塩をふって小麦粉をふり、卵液をくぐらせた薄切りのズッキーニを焼き、好みでケチャップを添えていただく。

アジのピカタ

【パン粉焼き】

フライより手軽で簡単。パン粉はおろしニンニク、パセリのみじん切り、マヨネーズ、オリーブ油を混ぜておく。アジは3枚におろして軽く塩をふり、蒸したじゃがいも(食べやすく切る)とともに耐熱容器に並べる。上から用意したパン粉をたっぷり散らし、オーブンやオーブントースターなどでパン粉がこんがりサクっとなるまで焼く。

【骨せんべい】

さばいた時に出た骨は、塩をパラパラ振ってから油で揚げる。最初はやや低温で徐々に温度を上げて最後はカラリと揚げる。
アジの骨せんべい

 

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。

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