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アイゴ【藍子】釣魚料理編

アイゴは磯臭いと敬遠されるが、しっかり下ごしらえすれば極上の味!

 

【おいしさ度】★★★☆☆

アイゴは磯臭さや毒の棘があることから積極的に食されることは少ないが、徳島では、「アイゴの皿ねぶり(盛りつけた皿をなめるほどおいしい)」とまでいわれるほどの食味をもっている。実際、肉質は弾力のある白身で、新鮮なものは刺身、洗いでとてもおいしく食べられる。
磯臭さの原因は内臓にあるため、新鮮なうちに内臓を傷つけずに処理し、しっかりと水洗いすることが基本。こうすることによって、内臓の臭いが身に移らずに、磯臭さも全然気にならなくなる。
紀伊半島や房総では、アイゴを開きにしたり、三枚におろした身を一夜干しにして食べることが多いが、これもウマミが凝縮した格別の味わいだ。そのほか、塩焼き、煮付け、唐揚げ、味噌漬け、ムニエルなどでもいただける。
なお、アイゴのヒレの毒は死んでも残るため、料理をするときは慎重に(生態のページ参照→)。あらかじめキッチンバサミなどで毒ビレをカットしてしまうのが、いちばん安全で確実だ。

【刺身】

アイゴは磯臭いという人もいるが、釣りたての新鮮なうちに内臓を出して水洗いし、まな板や包丁もきれいに洗ってから刺身に仕上げれば、磯臭さが移ることはない。非常に弾力のあるプリプリとした白身で、脂ののった時期はウマミもたっぷり。醤油とミリンを混ぜた漬け汁に浸したヅケにしてもおいしくいただける。

【カレー唐揚げ】

スパイスを利かした唐揚げも、手軽にできて誰にでも好かれる料理方法だ。
さばいて食べやすい大きさに切った身に、塩・コショウ・カレー粉を振り、さらにカレー粉と片栗粉をまぶしてカラリと揚げる。ドライハーブやガーリックを利かせたり、醤油と酒と生姜で竜田揚げにするのもお勧めだ。

【ムニエル】

バター風味のソテーも簡単でご飯の進む一品。
塩・コショウを振ったアイゴの身に薄く小麦粉をはたいてから、油を多めに敷いたフライパンで両面を焼き上げる。残った焼き汁とバター、醤油、白ワイン、おろしニンニクを合わせて煮立て、アイゴにかければ完成だ。パリッと焼けた皮がジューシーで美味。

【干物】

干すことでウマミがぎゅっと詰まった干物は、アイゴの料理方法の定番。
小型のものは一匹丸ごと、もしくは開いた状態でいいが、20㎝を超えるものはニ枚におろす。頭は割りにくければ、先に落としてしまっていいだろう。海水程度の塩水に1〜2時間浸してから、ザルや網などに載せて半日ほど干しあげる。

【トムヤムクン風エスニックスープ】

アイゴのダシのきいた酸っぱ辛いスープは、けっこうやみつきになる味。ほかの魚でも同様に作れる。
アイゴのアラ、ショウガの薄切り、あればパクチーの茎、レモングラス、唐辛子を煮てスープを取り、アラを除いてからアイゴの身、玉ネギ、マッシュルーム、コンソメ、ナンプラーを入れてひと煮する。仕上げにパクチーの葉や青ネギを散らす。

 

【干物】

大きめのものは、アラを煮つけてもふつうに美味しい。背骨周りや顔の脂ののった身は、ご飯との相性も最高。煮汁を濾し、身と混ぜて冷蔵庫で冷やせば、ゼラチン分がかたまって煮こごりとなるので、残っても冷めても美味しい。

 

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。

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