磯釣りでは貝殻も噛み砕くアゴに対抗する、強靭仕掛けで挑む!
【釣りやすさ】★★★☆☆
【釣り場とシーズン】
イシダイと並ぶ磯の大物釣りのターゲット。その強靱なアゴでエサに食いつき、「カンダイのひとのし」という言葉があるくらいに引きが強いので注目を集めていたが、現在では魚影が減少傾向にある。
ポイント、タックルともにイシダイ釣りと同様で狙える。また、磯釣りのほかに、ボート釣り、堤防や海釣り公園で狙える場所もある。
シーズン的には一年中狙えるが、カンダイと呼ばれるように冬に味覚の旬を迎えることから、この時期に狙う人が多い。しかし、実際には水温が上がって魚が活性化する夏~秋が釣りやすい。
潮通しの良い磯や堤防が好釣り場。イシダイの釣れるポイントならコブダイも狙える可能性が高い
【磯釣り】
コブダイは荒々しい根まわりに潜んでいるため、イシダイ釣り同様の頑強なタックルと仕掛けで挑んでみたい。竿やリールはイシダイ用のものを流用。仕掛けも、ワイヤのハリスを基本としたイシダイ仕掛けの流用が無難だ。図は、より食い込みをよくした遊動タイプの仕掛け。付けエサはイシダイ同様にサザエやヤドカリ、トコブシなどが使える。
釣り方もイシダイ釣りと同様。コブダイも岩礁の潮が当たる側でエサを捕食しているので、地形や潮流を読みながら狙いのポイントに仕掛けを投入。アタリがあればほとんどエサを飲み込んでしまう魚なので、竿先を絞り込まれる前にアワセを入れる。最初の引きは強烈だが、リールをゴリ巻きして一気に根から離してしまうことが重要だ。
【かぶせ釣り】
カキの養殖が盛んな瀬戸内海広島エリアで人気なのが、カキをエサにしたヘチ釣りスタイル。当地では「かぶせ釣り」と呼ばれており、短竿で強烈な引きを楽しめるのが魅力だ。堤防の足下に仕掛けを落とし込んで探る釣りなので、ある程度水深がある釣り場が狙い目となる。
竿はクロダイ釣り用のイカダ竿を流用。ラインはナイロン4号のミチイトとフロロ3~4号のハリスを直結。ミチイトを通しで使用する場合は、根ズレに強いフロロカーボン製を選びたい。ハリはチヌの4~5号か、軸の太いグレ10号前後を結ぶ。完全フカセの釣りなので、ガン玉は打たないのが基本だ。付けエサとコマセはカキを使用する。
カキの殻を割ってハリを埋め込んだら、それを足下に投入。カキエサが着底した直後に食ってくることがあるので、竿先のアタリに集中しよう。カキを砕いて殻ごと撒いてコマセとし、断続的に撒いてコブダイを寄せつつ、活性を上げることが重要だ。手元にアタリを感じたら、間髪を入れずに竿を大きく立てて確実にアワセを入れる。コブダイが岸壁に突っ込むと、壁に付いているカキ殻でラインを切られることが多いため、できるだけ腕を前に突き出してリールを巻く。
【カカリ釣り】
タックルは、船用のイシダイ釣り用の竿を流用。特殊な竿だが、一部の釣具店や船宿がオリジナル品を販売している。あるいは、硬めのカワハギ竿も流用できる。
仕掛けは、食い込みとフッキングをよくするために、小さめのイシダイバリを2段仕様にしたものを使用。ハリのチモトは、ハリスの保護のためにケブラーを使う人もいる。付けエサには、カラスガイや冷凍エビ、ヤドカリなどを装餌する。
カカリ釣りの最大のポイントは、コブダイが潜んでいる根に正確にボートを着けること。何の目印もない海上では、GPSや魚探を駆使したアンカーリングの技術が必須だ。正確なアンカーリングさえできれば、あとはカラスガイやカキなどの殻を砕いたコマセを断続的に効かせてコブダイの活性を上げてやる。仕掛けを投入したら、底ダナでアタリを待つ。大物ほどアタリは小さいので、穂先の動きに違和感を感じたら、電光石火のアワセを入れて魚を根から引き離す。
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