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サケ【鮭】生態編

【分類・分布】

日本のサケ目サケ科の魚はイトウ属、イワナ属、サケ属などに分けられ、サケ属にはニジマスサクラマスヤマメ)、サツキマス(アマゴ)、ビワマス、ベニザケ(ヒメマス)ギンザケ、カラフトマス、そしてサケなどが含まれる。
サケというと、広義には河川で産まれて海で育つ種をまとめて指すことが多いが、種としてのサケは、通称「シロザケ」と呼ばれる魚種である。

日本では太平洋側では千葉県以北、日本海側では九州北部以北の河川で遡上が見られるが、分布の中心は北海道、東北地方、北陸地方になる。日本は北太平洋のアジア側の分布の南限となる。
世界的には北米のカリフォルニアから朝鮮半島南部までの北太平洋、日本海、オホーツク海、ベーリング海に面した河川、北極海沿岸の一部の河川にも遡上している。

【形態】

海洋生活期には、銀白色のウロコに覆われ、背部と尾ビレには黒点がなく、尾ビレに放射状に銀色の筋が入っていることからカラフトマスなどと区別できる。
産卵期を迎えると体色が黒ずみだし、成熟が進むにつれて赤・黄・緑色の斑模様がはっきりしてくる。また、雄は体高が高くなるとともに、口先が尖って上顎が下方に曲がるいわゆる「鼻曲がり」の状態になる。
稚魚は、背部は緑色の輝きの混じる茶色で、体側には6~14個のパーマークが見られる。降海後、7~8㎝に成長すると、パーマークは徐々に消え、背部の色も青緑色に変化する。
成魚は全長70~80㎝、重さ3~5㎏が平均だが、大きな個体では90㎝を超えるものもいる。寿命は平均3~5年、長いもので7年とされる。


河川内で釣れたオス。ブナと呼ばれる婚姻色が特徴的


【生態】

成熟した親魚は、ほぼ100%の確率で母川回帰をする。産卵期の2~3ヶ月前から摂餌をしなくなり、体内に蓄積したエネルギーのみで河川を遡上。サケは、カラフトマスが産卵する場所よりも、流速が遅く砂利底から地下水の湧き出る場所を産卵場とする習性をもち、約3,000粒の卵を1~3ヶ所に分けて産みつける。産卵を終えた親魚は、すべての体力を使い果たして死んでしまう。
産卵から孵化、そして浮上して川を下り始めるまでの日数は積算温度で約960℃。水温が違う北海道と本州の川では産卵に適した時期も違うため、北海道では産卵期が早く9月頃、南では2月頃のところもある。
水温8℃の場合、約60日で孵化し、さらに50日ほどの間は腹部の卵嚢の栄養分を吸収しながら育つ。5㎝ほどに育って浮上し、3~4月頃になると降海する。当歳魚は、夏〜秋頃にはオホーツク海の水温8℃前後の水域で動物性プランクトンをエサとして成長する。水温が5℃になると北西太平洋へ移動して越冬し、さらにアリューシャン列島からベーリング海へ分布するようになる。この回遊生活を繰り返し、小魚などを食べながら成熟する。


【文化・歴史】

サケは古来より重要な食用魚であり、アイヌの人々はサケを「カムイチェプ」(=神の魚)と呼び、大切にしてきた。また、東日本各地の貝塚からサケの骨が発見されたり、平安時代に編纂された「延喜式」には、河川遡上魚が献上されたという記事が載せられている。
江戸時代においても、東北地方においては藩政を支える重要な資源であり、アイヌ民族との主な交易品のひとつでもあった。越後村上藩の藩士・青砥武平治は、1763年、藩内の三面川に分流を設けて、産卵適地に柵を作ってサケの遡上を阻止して産卵させる方法で自然増殖を促す「種川の制」を考案した。これはサケの人工的な増殖の先がけといえる。
本格的なサケの人工採卵・孵化は、1876年、茨城県の那珂川で試験的に行ったのが最初で、1888年には北海道の千歳川に本格的な孵化場が建設された。以来、各地に孵化場ができ、今や日本近海のサケは、北海道や東北地方で人工的に採卵・孵化・放流されたものが多数を占めている。

シャケ、アキアジ、メジカ、トキシラズ、ブナなどの別名がある。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池を釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。これまで釣った魚は350種以上。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者として独立。自著執筆のほか、多くの雑誌・書籍の編集に携わる。TVCFなどのフィッシングアドバイザー、DIYアドバイザーも務める。
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