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キビナゴ【黍女子】生態編

キビナゴ【黍女子】

【分類・分布】

ニシン科キビナゴ属に分類される海水魚で、広義では同じニシン科のマイワシなども仲間だが、ごく近縁なものは沖縄周辺にのみ棲息する同属のリュウキュウキビナゴやミナミキビナゴなどである。同じ亜科に属するウルメイワシも近い仲間といえる。いずれも、ニシン科の魚のなかでもとくに細長い体型をしている。
キビナゴの世界的な分布域は、南東はオーストラリア北岸やポリネシア周辺、西はアフリカの東岸まで、インド洋や西太平洋の熱帯から亜熱帯域と広い。
日本でも比較的温暖な海域に棲息しており、太平洋側は房総半島以南、日本海側では山陰地方以南が分布域となっている。

【形態】

全長10㎝ほどの小魚で、体形は細長い楕円筒形。頭部は小さく、目が大きい。目の直径は吻(ふん)長より長く、吻部は尖っている。各ヒレに棘はもたず、尾ビレの後縁は深く切れ込んでいる。体色は、背側が淡青色、腹側は銀白色。体側には側線はないが、幅広な銀色の縦縞があり、それに沿って濃青の細い縦縞が背中側にある。
ウロコは円鱗ではがれやすいため、網などで獲られて店頭に並んだものには、ほとんどウロコは見られないが、釣りたてのものはウロコが鮮やか。
リュウキュウキビナゴはキビナゴと非常によく似ているが、胸ビレの軟条数が10~12と、キビナゴが13~15あるのに比べて少ない。ミナミキビナゴも体形は似ているものの、体側の太い銀色の縦縞がないので区別しやすい。

キビナゴ【黍女子】
釣れたては青みが強く鮮やか。水から出すとすぐ死んでしまうので、釣れたらクーラーにすぐにしまおう

【生態】

水のきれいな外洋に面した沿岸域を好み、大きな群れで回遊する。主なエサは動物性プランクトンで、プランクトンが中〜表層に浮いてくる昼~夕方にエサを摂ることが多い。
熱帯域ではほぼ周年産卵するが、日本近海では春~秋に産卵する。繁殖集団は、潮の流れの速い海域に集まり、海底を泳ぎまわりながら産卵を行う。粘着性の沈性卵を産み、受精卵は砂底や岩礁、海藻などに付着し、1週間ほどで孵化する。幼魚の間は沿岸部を群泳していて、全長5㎝ほどまで育つと沖合へ移動する。
寿命は半年~1年ほど。西日本では夏~秋に生まれたものが翌春に産卵し、その仔は秋に成魚になって産卵し寿命を終えると考えられている。

【文化・歴史】

鹿児島県では帯のことを「キビ」ということから、体側の縦縞を帯に見立てて、キビのナゴ(=小魚)が転じてキビナゴと呼ぶようになったといわれる。
キビナゴの地方名は多く、スルルー(沖縄県)、シュレン(奄美地方)、シザコ(種子島周辺)、カナギ(九州地方、山口県)、キミナゴ(三重県)、キッポ(鳥羽地方)、ハマイワシ、ハマゴ、ハマゴイ、ハマゴイワシ(静岡県)などがある。
鹿児島県では県魚のひとつに指定されるほどで、身を開いたキビナゴを丸く盛りつけた「菊花造り」の刺身に酢味噌や生姜醤油を添えたものは、おいしい郷土料理として親しまれている。
サバカツオタチウオ、根魚などの肉食魚が好むことから、釣りエサとしても多用される。また、昔は大量に獲れたことから、肥料に使われていたこともあった。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。

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