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チカメキントキ【近目金時】生態編

 
【分類・分布】

スズキ目キントキダイ科チカメキントキ属の海水魚。キントキダイ科は、キントキダイ属、クルマダイ属、ゴマヒレキントキ属、チカメキントキ属の4属18種で構成される。小さな分類群だが、そのほとんどが食用となる水産上の重要な種類である。本種のチカメキントキのほか、キントキダイ、ホウセキキントキが主に釣りの対象となっている。赤い体色と大きな目からキンメダイの仲間と思われがちだが、分類上は近縁の魚ではない。

チカメキントキは、太平洋、インド洋、大西洋などの世界中の熱帯・亜熱帯海域に広く分布する。

【形態】

体は左右に平たく、卵形をしており、体長が体高の2倍、またはこれよりも大きい。背ビレの棘は後方ほど長い。腹ビレは折り畳むと、その後端が尻ビレ基部よりも後方に達する。腹ビレの鰭膜(きまく。ヒレのスジとスジの間の部分)が黒いのも本種の特徴。
姿形が酷似しているキントキダイは、背・尻ビレ軟条部、腹ビレに黄色の斑紋が散在していることで区別できる。

体色は淡紅色で、エラブタの上部は赤く縁どられる。新鮮なものは体側に走る黄色い縦縞の間に青い斑点が並ぶ。体はザラザラとした硬く細かいウロコに覆われており、ヒレの付け根部分にはウロコをもつ突起が並んでいる。体長は最大で60㎝に達する。

金色に輝く大きな眼が印象的な本種だが、これはタペータムという輝板が網膜に入っているためである(キンメダイの目もタペータムをもつ)。輝板は、網膜を通過した光を反射させて明るさを増幅させる組織であり、ネコ科などの夜行性の動物にも備わっているものだ。本種が棲息する海域は、やや深くて暗いため、このような組織が発達したものと推測できる。また、目がよい魚であることが知られている。


赤く鮮やかな体色と大きな目が特徴。キンメダイと比べウロコが硬く、腹ビレが大きいのが特徴


【生態】

日本では、新潟以南、相模湾以南の水深100m以深の岩礁域、珊瑚礁域に棲息している。棲息水深は大型の個体ほど深く、海底から数m~10mほど離れた層を群れで遊泳している。夜行性で、主に甲殻類やアミ類、軟体類などを捕食する。産卵期は、7~8月と考えられている。


【文化・歴史】

東伊豆や外房方面などでは、本種を「カゲキヨ」と呼ぶ。これは、歌舞伎「景清」の舞台装束が赤いことに由来するといわれている。また、関西、和歌山方面ではキントキダイを「カゲキヨ」と呼ぶなど、両種を混同する地方が多く、さらに、キンメダイと混同して両種を「キンメ」と呼ぶ地方もあり、非常に紛らわしい。なお、標準和名の「近目金時(チカメキントキ)」は、魚類学者の田中茂穂博士によってつけられた。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池を釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。これまで釣った魚は350種以上。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者として独立。自著執筆のほか、多くの雑誌・書籍の編集に携わる。TVCFなどのフィッシングアドバイザー、DIYアドバイザーも務める。
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