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コマイ【氷下魚】生態編

【分類・分布】

タラ目タラ科コマイ属の魚。タラ科には16属31種の魚が含まれ、日本近海ではコマイと並んでマダラやスケトウダラが分布している。いずれも、水産資源として重要な魚種。
日本近海では北海道の沿岸部、とくに東部の根室海峡近辺に多く棲息し、そのほかに黄海、日本海、オホーツク海を含む北太平洋に分布する。

【形態】

最大で50㎝・1㎏超まで成長するとされるが、通常は35㎝くらいまでのものが多い。細長い体で、腹の部分がやや太く、3基の背ビレと2基の尻ビレをもつ。このヒレの数はタラ亜科の魚の特徴で、スケトウダラやマダラも共通のものである。

体色は、背側が青みがかった茶褐色に不規則な暗色の斑紋がある。腹側は銀白色で、やや黄色みを帯びている。下アゴより上アゴが突き出ていて、下アゴにあるヒゲは短く、眼径の半分以下の長さ。アゴの形とヒゲの長短で、ほかのタラ類と区別できる。マダラはヒゲが眼径以上に長く、スケトウダラは下アゴが突き出ているのが特徴だ。


【生態】

水深200m以浅の寒冷な沿岸部に棲息。血液中に凍結を防ぐ物質をもち、水温が0℃以下でも棲息できる。地域性が強く、大きな回遊はしないが、季節による浅場と深場の行き来はあり、産卵期には汽水湖にも出入りする。また、汽水湖に年間を通じて留まる個体もいる。
夜行性で群れをつくって回遊し、カイアシ類やオキアミ類などの浮遊性甲殻類、ヨコエビ類、等脚類、エビ類、ゴカイ類などの小型底棲生物を捕食する。
産卵期は1~3月頃。盛期は1月下旬頃で、岸近くの水温が氷点下かそれに近いところで卵を産む。根室海峡の野付半島付近がもっとも大きな産卵場として知られている。低水温でしか棲息できないわけではなく、20℃程度の水温でも活発に活動できるが、卵の孵化には2℃以下が適温であり、4℃以上になると孵化率が著しく下がる。
2歳までの成長が非常に早く、孵化した年の冬までに18~20㎝に成長し、2年で約28㎝に成長して成熟・産卵を行う。3年で約33㎝まで成長する。

【文化・歴史】

コマイはアイヌ語で、「小さな音がする魚」の意味とされる。アイヌ民族は、古くからコマイを凍結と乾燥を繰り返した干物のようなものにして保存食としていた。現在では魚の身を凍結し、半解凍状態で食べるものをルイベというが、そもそもルイベとはアイヌ語で「溶ける食べ物」という意味で、主に上記のコマイのルイベを指したものであった。
北海道では、冬期に漁師が湖上の氷に穴を開けて網をかけ、コマイなどを獲る「氷下待ち網漁」が風物詩になっているが、それが由来で本種を「氷下魚」と書く。体長によって、20㎝以下の幼魚はゴタッペ、30㎝台までの中型のものはコマイ、40㎝超の大型はオオマイと呼ぶこともある。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池を釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。これまで釣った魚は350種以上。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者として独立。自著執筆のほか、多くの雑誌・書籍の編集に携わる。TVCFなどのフィッシングアドバイザー、DIYアドバイザーも務める。
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