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シマガツオ【縞鰹・島鰹】生態編

シマガツオ【縞鰹・島鰹】

【分類・分布】

スズキ目シマガツオ科シマガツオ属。シマガツオ科には、世界の熱帯から温帯海域に分布する2亜科7属、約20種が知られており、いずれも外洋性が高い魚たちだ。
2つの亜科は、シマガツオ亜科とベンテンウオ亜科からなり、シマガツオ亜科にはシマガツオ属、チカメエチオピア属、ヒレジロマンザイウオ属、マンザイウオ属、Xenobrama属の5属16種を含む。この仲間は、背ビレ、尻ビレの鰭条の一部のみが伸長し、腹ビレが胸ビレのほぼ真下にあるのが特徴だ。うち、本種は9種が確認されているシマガツオ属に属している。
主に、北太平洋の亜熱帯~亜寒帯域の沖合いから外洋に分布しており、日本の沿岸では中部地方以南の太平洋側に多いが、東京湾でも釣ることができる。

【形態】

体高は広く著しく側扁し、輪郭が丸い。張り出した頭と、大きな眼が特徴。この眼は深海魚特有のもので、光が当たると薄いオレンジ色に反射する。生時は側線より下部の体色が銀白色であるが、死後はすぐに黒褐色に変色する。
ウロコは硬く、三日月状の特異な形をしている。背ビレと尻ビレには、横長の小鱗が規則的に並ぶ。縦列鱗数は65~75枚。胸ビレは長大で、腹ビレは胸ビレの真下にある。成魚の体長は60㎝に達する。
よく似たツルギエチオピアやチカメエチオピア、マンザイウオの仲間とは、尾ビレが強く湾入していることや、尾柄部に大きな鱗隆起がないことで判別できる。


【生態】

水深200~400mの底層に群れで棲息するが、夜間は浅い場所に浮上する「鉛直回遊」を行うことが知られている。ほかの多くの深海魚とは異なり、生活圏の幅は極めて広い。
中部北太平洋での本種の摂餌習性の調査では、全長11.1~19.9㎝の小型個体はヨコエビなどの端脚類やイカやタコなどの頭足類を捕食していたという。
全長20~40.9㎝の中~大型個体については、メイカ、ヒメドスイカ、タコイカなどの頭足類を主食とし、中型個体ではそれに次いで端脚類を、大型個体は魚類を捕食していた。


【文化・歴史】

シマガツオの名の由来については、「島(シマ)」は、南の島という意味であり、「南方で獲れるマナガツオに似た魚」という意味で名付けられたとされている。
本種は、各地で「エチオピア」とも呼ばれており、むしろ釣り人の間ではこちらの名のほうがなじみ深いかもしれない。このユニークな名前の由来は諸説ある。1935~1937年に相模湾でシマガツオが大漁となり、一般の食卓にも上るようになった。ときを同じくしてエチオピアの皇族が来日し、メディアを賑わせた。この出来事にちなんでエチオピアと呼ばれるようになったという説がひとつ。
さらに、昭和初期から日本の南方漁業が一気に盛んになり、シマガツオの漁業も増えた。ちょうど同じ頃、我が国とアフリカのエチオピア王国との外交関係が親密であったことから、「エチオピア=黒人国」の連想により、体色が黒褐色である本種を漁船員や魚商人たちがエチオピアと呼び始めたという説などがあるが、どれが正しいのかは不明である。
その他、テツビン(小笠原)、モモヒキ(神奈川)、クロマナガツオ(東京)など、地方名も多彩だ。また、漁師の間では、オッペタンコとも呼ばれている。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。

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