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シシャモ【柳葉魚】生態編

シシャモ【柳葉魚】
【分類・分布】

キュウリウオ目キュウリウオ科シシャモ属の海水魚。キュウリウオ科には11属31種が含まれ、そのうちキュウリウオ亜科には9属24種が分類されている。同じ亜科にはキュウリウオ属、カラフトシシャモ属などが含まれ、シシャモ属には本種のほか2種が含まれる。同じ科で日本近海に棲息するものとしては、チカ、ワカサギキュウリウオアユ(アユ科とされることもある)などがいる。干物でおなじみカラフトシシャモも同じキュウリウオ科の魚だが別種。北大西洋、北太平洋に棲息し、北海道周辺にも回遊するが、主にオホーツク海沿岸部。
シシャモは、世界中でも北海道の道東地域を中心とする太平洋沿岸の一部地域だけに棲息する日本の固有種。また、最近のDNAの解析により、日高地方に分布する群れと十勝・釧路地方に分布する群れは、遺伝的に異なることが確認された。
北海道のレッドデータブックでは「まだ絶滅のおそれはないが、保護に留意すべき種」として留意種(N)に掲載されている。

【形態】

やや側扁した細長い体形で、体色は銀色がかっている。背側は黄褐色、腹側は白色。側線は前方のみにある。
婚姻色が現れると、雄は全身が真っ黒になるが、雌には体色の変化は見られない。小さな脂ビレがあり、尻ビレは丸みを帯びた形状で広がっている。とくに雄は雌よりも尻ビレが大きく、産卵期にはさらに大きくなる。全長は最大で18㎝ほど。
口は大きいがキュウリウオほどでなく、上アゴの後端は瞳の真下ほどまで(キュウリウオは瞳の後端を超える)。舌上には小円錐歯がある。キュウリウオとは、ほかに婚姻色の色、尻ビレの縁がキュウリウオのほうが直線的であることなどで見分ける。
シシャモ【柳葉魚】
背ビレ後方に小さな脂ビレがある。黄褐色がかった美しい魚体だ


【生態】

回遊魚で、通常は生後2年で成熟し、10月下旬~12月上旬頃、産卵のために川を遡上する。産卵は河川を1~数㎞遡り、雄雌のペアで行われるが、産卵後、雌は別の雄を選び、数回にわたって産卵する。産卵数は8,000~20,000粒程度で、地域によって差がある。産卵後、親魚の多くは死ぬが、一部は海へ下り、翌年再び産卵に加わることもある。また、成熟に3年かかる個体もいる。
産卵のために遡上する川は、鵡(む)川、沙流(さる)川、十勝川、茶路(ちゃろ)川、釧路川、阿寒川、別寒辺牛(べかんべうし)川などが知られる。
卵は粘着卵で砂に付着し、自然条件下では孵化までに約150日を要する。春になって孵化すると、仔魚は流されて海へ下る。その年の秋には体長7㎝ほどになり、さらに1年で11~14㎝まで成長する。ゴカイ類、ヨコエビ類などの底棲生物を食べる。


【文化・歴史】

北海道の苫小牧の東側に位置する勇払郡むかわ町は、シシャモを町の魚として定め、「鵡川ししゃも」の名で地域団体商標登録している。また、資源保護のため、漁期を10月上旬からの約1ヶ月間に限定したり、産卵河川の清掃や植樹などを漁協が行っている。そして、秋のシシャモ漁の前には、シシャモカムイノミという、豊漁を祈る儀式も行われる。
シシャモは漢字で「柳葉魚」と当てるが、これはアイヌの伝説に基づくものである。飢えに苦しんでいたアイヌの娘が、病身の父のために川岸で祈ったところ、柳の葉が川に落ちて泳ぎ回り、それがシシャモになったというあらすじである。アイヌ語では柳をスス、葉をハムというため、「ススハム」が転じてシシャモになったとされる。
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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。




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