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ツムブリ【紡錘鰤・錘鰤】生態編

【分類・分布】

スズキ目アジ科ツムブリ属の海水魚。アジ類は世界中で32属140種が知られているが、ツムブリはアジ科の分類上では1種のみでツムブリ属に分類されている。
全世界の熱帯・温帯海域に棲息しており、日本近海では朝鮮半島以南、および房総半島以南で見られる。とくに、南西諸島、伊豆諸島、小笠原諸島周辺で個体数が多く、ブリヒラマサカンパチなどよりも南方系の分布をする。

【形態】

成魚は全長1mほどだが、最大で全長180㎝・重量46.2㎏の記録がある。
体形はブリをスマートにしたような紡錘形で、頭部は小さく、口は細長く尖っている。尾ビレは深く2叉し、尾柄部には2軟条からなる小離鰭(しようりき)が1基ずつある。
体色は背部が藍青色で、腹部は銀白色、または黄色。体側は黄色か黄緑色をしており、鮮やかな青色縦帯が3本走り、中央の1本は吻から眼を通り、尾まで達する。側線にはアジ科の魚に多く見られる稜鱗(ゼイゴ)がない。ちなみに、アジ科で稜鱗がないのはツムブリ属、ブリモドキ属、アイブリ属、ブリ属、イケカツオ属、コバンアジ属の6属に所属する種。


【生態】

通常は、外洋の中層から表層を高速で回遊しているが、水深150mでの観察記録もあり、ときに沿岸や水深100m以深の沖合にも出現することが知られている。大型は群れをつくらないようで、魚群を形成するのは60㎝以下の個体が多い。食性は動物食で、遊泳性の小魚や甲殻類を捕食する。
幼魚は、流れ藻や流木などの漂流物に着き、移動しながら成長する。漂流物に着く性質は成魚になっても残り、大型の漂流物や浮き魚礁などでもよく見られる。また、潮目に群れるケースも多い。
サメと一緒に泳ぎ、サメのザラザラとした体表に体を擦りつける行動も報告されている。この行動は、体に着いた寄生虫を取り除くためであるという説がある。


外洋の中層から表層を高速で泳ぐツムブリ。群れになっているのは小〜中型のものが多い


【文化・歴史】

虹のような美しい体色と、表層を快速で走り回ることから、英名ではレインボーランナー(Rainbow runner)と呼ばれる。漢字表記の「紡錘」は「つむ」と読み、織物などでイトを巻いておく芯のこと。体型がイトを巻いた紡錘に似ていることから「ツムブリ」と名づけられたとされている。

地方名は多く、オキブリ・オカモジ(和歌山)、キツネ・ハマチ(高知)、ウメキチ・メキチ(鹿児島)、ダンゴブリ(三重)、ヤマテゥナガイユ(沖縄県糸満)、ハチャハチャナガユー(沖縄県国頭村字浜)など、さまざま。神奈川県・真鶴、静岡県・沼津市では、ブリの幼魚の呼び名であるイナダに対して「メダナ」という。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池を釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。これまで釣った魚は350種以上。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者として独立。自著執筆のほか、多くの雑誌・書籍の編集に携わる。TVCFなどのフィッシングアドバイザー、DIYアドバイザーも務める。
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