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イスズミ【伊寿墨】生態編

【分類・分布】

イスズミ科は、メジナ、イスズミ、タカベ、カゴカキダイなど沿岸性の底棲魚を中心に、メジナ亜科、イスズミ亜科、タカベ亜科、カゴカキダイ亜科、Para-scorpidinae亜科の5亜科16属45種が記録されている(メジナはメジナ科と分類されることも)。
ただし、これら5亜科はそれぞれ独立の科として分類されるケースもある。また、メジナ亜科、イスズミ亜科、タカベ亜科の3群が単系統群を構成するとの見解や、ユゴイ属(ユゴイ科)、イシダイ属(イシダイ科)など、ほかのスズキ亜目のグループとの関連を指摘する報告などもあることから、本科の位置付けは途上にあるのが現状。

我が国における棲息域については、東京湾以南と書かれているものが多いが、千葉県・外房でも確認されている。
また、南にいくほど多くなり、沖縄、小笠原では極めて魚影が濃い。

【形態】

全長は最大で70㎝に達する。体色は背部は青褐色で、腹部は銀白色をしており、体側に多くの黄色い縦走線が走る。また、全体的に橙黄色の個体も見られる。白波の立つ浅場に入ると、青褐色の体色に白色の水玉模様が瞬時に浮かび上がる。これは、上空の海鳥たちから身を守るためのカモフラージュだ。

体高が広く、よく側扁しており、メジナ科の魚に似ているが、イスズミ科は両アゴの外列歯の先が尖っている単尖頭であるのに対し、メジナ科の外列歯は門歯状で、その先端が三つ又になっている3尖頭。また、イスズミ科は前鋤骨に歯があるが、メジナ科にはない。
そのほか、イスズミ科はメジナ科よりも外洋性で、雑食性だが藻類食の傾向が強いのも特徴のひとつだ。

日本産のイスズミ属は、本種のほか、テンジクイサキ、ノトイスズミ、ミナミイスズミの4種いるが、これらの同属魚類とは、背ビレと臀ビレの軟条数で区別できる。本種は背ビレ10棘14軟条、尻ビレは3棘12~13軟条であり、ほかの同属魚類よりも多い。


釣り上げられたイスズミ。白波のたつ浅場にいたものは、このように白い斑点が浮かんでいる

【生態】

全長5㎝までの幼魚は流れ藻に着き、小甲殻類を主食にしているが、成魚は沿岸の岩礁地帯などに棲息している。
食性は雑食性で、付着藻類、海藻類、甲殻類、動物性プランクトンなど、さまざまなエサを捕食する。
夏場の高水温期には小型の底棲動物を、冬にはハバノリなどの褐藻類を好んで食べる。そのため、夏場は独特の磯臭さがある。
産卵期は早春と考えられている。

【文化・歴史】

標準和名はイスズミであるが、「イズスミ」と呼ぶところも多い。地方名は、ササヨ(鹿児島)、タカウオ、キツウオ、キツ(高知)、ギッチョ(和歌山)、シツオ(南九州)などがある。また、主に近畿地方での、ウンコタレ、ババタレという呼び名は、釣り上げられる瞬間に大量の排泄物を放出することに由来する。

4種が所属するイスズミ属のうち、ノトイスズミは日本各地に普通に棲息しているにもかかわらず、1991年まで誰も知らなかった。本種と非常に酷似していることから、研究者でさえイスズミと混同して、見分けられなかったのである。『伊豆海洋公園通信』1991年8月号に掲載された、「のと海洋ふれあいセンター」の坂井恵一氏による「日本のイスズミ属魚類は4種」という論文によって、ノトイスズミの名が提唱され、追加された。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池を釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。これまで釣った魚は350種以上。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者として独立。自著執筆のほか、多くの雑誌・書籍の編集に携わる。TVCFなどのフィッシングアドバイザー、DIYアドバイザーも務める。
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