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キンメダイ【金目鯛】生態編

【分類・分布】

キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属に分類される深海に棲む魚。同じキンメダイ属の魚としては、相模湾以南に分布しているフウセンキンメ、西日本以南に分布するナンヨウキンメなどがおり、鹿児島県奄美諸島近海では、これら3種すべての棲息が確認されている。
また、ギンメダイという魚もいるが、こちらは銀白色をしていて違う科に分類される。ただし、両種ともにキンメダイと呼ぶ地域もある。
本種は、北海道・釧路沖以南、とくに茨城県沖以南の太平洋側の温暖な海に分布している。

【形態】

その名の通り、金色をした大きな眼を持つ。この特徴的な眼の輝きは、網膜の下にある「タペータム」と呼ばれるグアニン質の層が光を反射するときに見られるもの。暗い深海に棲息するキンメダイは、この眼でわずかな光を効率よく集めて物を見ることができる。

海は水深が深くなるにつれて太陽光が届かなくなり、水深200mでは昼間の太陽光が海面のおよそ0.001%まで減って漆黒の世界になる。そして、こうした深海に棲息する魚の多くは体色が赤いことが多く、実際、キンメダイの体色も鮮やかな濃朱赤色をしている。
深海魚の体色が赤くなっている理由には諸説あるが、深海では赤い色ほど光を反射しにく、外敵から見えにくくなるためという説が有力だ。ただし、キンメダイの場合、釣り上げてすぐは腹側がピンク色がかった銀白色の体色で、ある程度時間が経ってから鮮魚店でもよく見られるようなおなじみの赤みの濃い体色となる。

体形は側扁しており、頭部が大きい。各ヒレは鮮紅色をしており、大きな尾ビレは深く切れ込んでいる。

フウセンキンメはキンメダイに酷似しているが、後ろの鼻の穴がフウセンキンメは楕円であるのに対し、キンメダイは細長いスリット状であることで区別できる。また、キンメダイは体長が50㎝超まで成長するが、フウセンキンメは40㎝止まりなので、大型のものはキンメダイということになる。
また、ナンヨウキンメは、キンメダイよりも体高があり、目はさらに大きく、ウロコが粗い。

【生態】

水深200~800mの大陸棚の縁辺部や海山周辺のカケアガリになった岩礁域に多く棲息している。

主食はハダカイワシ類やヨコエソ類などの小魚、甲殻類、ゴカイ類などの動物性食。ホタルイカなども捕食している。

産卵期は6~9月頃で、地域によって多少の差がある。産卵数は30~50万粒で、分離浮遊卵は1粒ずつバラバラになって黒潮に乗って漂い、水温23℃で2日間で孵化する。稚魚は水深50m以浅に棲むが、成長するに従って深みへ落ちていく。

体長は1年で15㎝、2年で24㎝、3年で40㎝前後に成長し、4年ほどで産卵行動をするようになる。比較的長寿の魚で、15年ほど生きるとされる。

200mの深さに棲むキンメダイは、1㎠につき2㎏もの水圧を受けるとされるが、体が押しつぶされることがない。これはキンメダイの体が体液と肉と骨格のみでできており、体内に気体を持たないためである。

【文化・歴史】

鮮やかな赤い体色が美しく、マダイの代わりに祝儀魚として用いている地方も多い。

主な産地は、房総半島、三浦半島、相模湾、伊豆半島、静岡県、高知県などとなっており、関西や日本海側ではややなじみの薄い魚である。

キンメダイは1億年前に出現した古い種の魚でありながら、深海から捕獲するには技術が必要なため、食用とされるようになったのは明治時代以降である。そして、一般に広く食べられるようになったのは、戦後になってからである。

また、キンメダイは太平洋、インド洋、大西洋など、ほぼ世界中の暖海域に棲息しており、さまざまな国で水揚げされたものが日本に冷凍輸入されている。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池を釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。これまで釣った魚は350種以上。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者として独立。自著執筆のほか、多くの雑誌・書籍の編集に携わる。TVCFなどのフィッシングアドバイザー、DIYアドバイザーも務める。
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