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ゴマフエダイ【胡麻笛鯛】生態編

ゴマフエダイ【胡麻笛鯛】

【分類・分布】

スズキ目フエダイ科は中型~大型の肉食魚のグループで、熱帯の沿岸域を中心に分布し、17属108種に分類されている。同じ属には、ゴマフエダイのほか、フエダイやバラフエダイなどの68種が含まれている。
本種は、アフリカ東岸からオーストラリア北岸までインド太平洋の熱帯域に広く分布している。日本の沿岸では本州中部以南に分布するが、多く見られるのは九州南部や沖縄などの南西諸島である。

【形態】

成魚は全長70㎝ほどになる大型のフエダイの一種。体高は高く側扁し、体形はいわゆるタイ型。口が大きくやや突出しており、両アゴに犬歯をもつ。
体色は緑褐色で、ヒレや腹部は赤みを帯びている。頬に水色の縦線が1~2本入るが、成長とともに消えることもある。若魚は親とは違った色合いで、濃い緑褐色に白っぽい横縞が6~14本入り、背ビレの前半と腹ビレの付け根は鮮やかなオレンジ色をしている。ウロコの中心に黒っぽい点があるため、体側は規則正しく黒点が並んでいるように見える。この点が、ほかのフエダイの仲間と見分けるポイントとなる。
シガテラ毒で知られるバラフエダイに似ているが、本種の尾ビレ後端は直線状に近いのに対して、バラフエダイはV字に切り込んでいることで区別できる。


【生態】

沿岸域の岩礁、サンゴ礁に棲息している。全長50㎝ほどまでの個体は河口や汽水域にも回遊し、高水温時になると体長20㎝程度までの幼魚は純淡水域まで回遊してくる。汽水域に入るフエダイ類は南西諸島では、オキフエダイ、ナミフエダイなどほかにもいるが、純淡水域まで入ってくるものは珍しい。
数匹程度の小さな群れを作って生活する。食性は肉食で、小魚、多毛類、頭足類、甲殻類、水に落ちた昆虫などを捕食する。

【文化・歴史】

フエダイという名は、口が前方に出ていて口笛を吹いているようであるところに由来する。ウロコの黒い点がゴマを散らしたように見えるさまからゴマフエダイと名付けられ、漢字でも「胡麻笛鯛」と書く。
地方名としては、アカシビ(宮崎県)、セボラ(鹿児島県)、カースビー(沖縄県)、アカシュビ、アカウオ、アオマツなど。
英名のMangrove red snapper は、河口部のマングローブ林に棲息する習性にちなんだものだ。南西諸島などの釣り人の間では、「マングローブジャック」という愛称で呼ばれている。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。

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