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ギスカジカ【義須鰍】生態編

ギスカジカ【義須鰍】

 

【分類・分布】

本種はカジカ科ギスカジカ属に分類され、日本では東北地方と北海道の沿岸部に棲息する。また、オホーツク海からベーリング海西部にも分布している。
カジカ科の魚は、温寒帯の海水、淡水に棲息する底棲魚で、世界で約300種、日本では約80種が分類されている。同じギスカジカ属には、シモフリカジカ、オクカジカ、トゲカジカなどがおり、その外見はいずれもよく似ている。
なお、正式名がカジカという魚は、同じカジカ科ではあるがカジカ属に分類され、河川に棲息している。ほかにも、カジカと名の付く魚は、海水魚、淡水魚ともに多数いる。

【形態】

体形はやや縦偏して幅広い。頭部が大きく、眼上部と後頭部に短い皮弁がある。口は大きく、唇も厚い。両アゴと前鋤骨(ぜんじょこつ)に歯帯があるが、口蓋骨歯はない。
背ビレは2基で、第一背ビレは棘条、第二背ビレは軟条となっている。尾ビレは切れ込みがなく丸い扇状となっている。
体色は棲息環境により非常に差異があるが、周囲の岩礁となじむ緑褐色、または赤褐色で背側には黒褐色の横帯がある。
よく釣れるサイズは30~40㎝のものが多いが、ギスカジカ属のなかでは一番大型になり、北海道では70㎝・5kg超の記録もある。
ほかのギスカジカ属の魚と見分けるポイントのひとつとして、腹部の模様の違いがある。本種では腹部の中心部までまだら状のはっきりとした斑紋が入っているが、シモフリカジカは腹部の斑紋は不鮮明で、腹部の中心部には模様がない。また、本種には頭部の背面やエラブタの後縁に骨質の棘状の鋭い突起がないことで、トゲカジカやオクカジカと区別できる。

【生態】

浅海の藻場、岩礁域に棲息する。基本的に夜行性で、普段は岩の間などに単独で潜む。食性は肉食性で非常に貪欲であり、小魚、甲殻類、多毛類などを捕食する。
冬期に浅海の岩礁域で約1.8㎜の粘着卵を産む。受精卵は早春になって孵化し、仔魚は浮遊生活を送り、卵黄を吸収して成長後、海底へ移動する。若魚期には浅海の藻場などに棲息し、その後、やや深場の岩礁域まで棲息域を広げる。

【文化・歴史】

ほかにもよく似たカジカ類がいるので、呼び名が混同されることも多い。マカジカ、イソカジカと呼ばれることも多いが、トゲカジカも同様に呼ばれることが多い。
また、北海道ではツマグロカジカという別種を釣り上げると「ギーギー」と音をたてることからギスカジカまたはギシカジカと呼ぶことも多く、こちらも混同しやすい。
英名はFrog sculpinといい、顔付きがカエル(frog)を連想させるところから付いたものである。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。

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