【分類・分布】
ナマズ目アメリカナマズ科アメリカナマズ属の魚。ナマズ目はスズキ目、コイ目に次いで大きなグループで、約2,800種が分類されている。ただし、日本に分布するナマズ目の魚は意外と少なく、淡水種としてはナマズ科のナマズほか3種、ギギ科のギギほか4種。海水産としてはゴンズイ科のゴンズイなどがいる。
アメリカナマズの本来の分布域は、カナダ、アメリカ、メキシコの一部。日本のほか、チェコやルーマニア、マレーシアなどに移入されている。日本での分布は、霞ヶ浦、利根川水系、琵琶湖、淀川水系、島根など。
【形態】
体長は最大で1mを超え、体重も最大30kgほどになる。体型は細長く、ウロコはない。背ビレは三角形に近い形で尾ビレの前方には小さな脂ビレがある。背ビレと胸ビレには、毒はないが鋭い棘がある。体色は背側は暗灰色で、腹側にむかうにつれて、黄または青味がかった淡灰色になり、腹部は白い。若魚には体側に小さな黒班が見られるが、大型になると不明瞭になってくる。
口元には4対のヒゲがあり、上アゴにある1対は幅広で長い。
利根川で釣れたアメリカナマズ。
【生態】
英名はChannel Catfish(チャネルキャットフィッシュ)といい、channelは、水路、溝などを意味する。その名のとおり、水底の溝に沿って回遊することが多く、魚類、甲殻類、両生類、水棲昆虫、貝類などを捕食している。
産卵期は主に6〜8月で、成熟は39cm以上、オスは3歳、メスは4歳とされているが、棲息場所によっても異なる。メスはオスが作った岩陰や土手のくぼみなどに産卵、産卵後はオスが卵を守り、5〜10日ほどで孵化する。
【文化・歴史】
食用目的で茨城県の霞ヶ浦に導入され、定着。特定外来生物に指定されており、生きたままでの運搬や保管は禁止されている(→環境省・特定外来生物のページ)。また、無許可での飼育も法令違反の対象となっている。
茨城県では駆除が行われている一方、食用への活用の取り組みも見られる(→茨城県行方市・行方バーガー)
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