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オヤニラミ【親睨】生態編

【分類・分布】

スズキ目ケツギョ科オヤニラミ属に分類される淡水魚。オヤニラミ属には4種が分類され、いずれも東アジアに棲息するが、日本に棲息するのは、オヤニラミのみ。
自然分布域は淀川水系保津川、由良川以西の本州、四国北部、九州北部、朝鮮半島の南部など。現在では放流を由来とする個体が、愛知県、東京都、滋賀県などで棲息している(参考→国立環境研究所 侵入生物データベース)。

【形態】

側扁した体形で、体色は褐色。体側の後半部には、6〜7本の濃褐色の横縞がある。エラブタの後ろには、淡黄色で縁取られた暗色の眼状紋があるのが特徴。体長は15cmほど。
体色は周囲からの刺激などによって大きく変化し、黒っぽくなったり明るい黄褐色になったりする。背ビレ、腹ビレ、尻ビレの軟条部は赤く、小さな斑が南条に沿って並ぶ。尾ビレは丸みをおびている。
眼の白目は赤く、眼の後ろからは赤褐色の縦縞が放射状に数本ある。口は大きい。

エラブタの後ろの眼状紋が特徴。名前の由来もこれが目で睨んでいるように見える、という説がある

【生態】

日本在来のスズキ亜目(スズキ目には20の亜目があり、そのひとつ。スズキ目最大のグループで、3000種以上の魚が分類されている)のなかで準淡水魚はオヤニラミのみ。河川の中〜下流域、その周辺の用水路などに棲息している。
水が住んだ比較的緩やかな流れを好み、水草、消波ブロックなどの障害物周りに単独で生活する。縄張りをもち、ほかのオヤニラミや魚が侵入すると激しく争う。
食性は肉食で、魚類、水棲昆虫など動くものに反応して襲いかかる。
産卵期は4〜9月頃。縄張りの水草の茎などに産卵場を作って産卵する。メスは数日間に複数のオスとの間で数回産卵する。
産卵後はオスが卵を保護し、孵化するまで敵を追い払ったりする。孵化後もしばらくオスが保護するが次第に群れから離れ、単独生活をするようになる。寿命は3年ほど。

【文化・歴史】

オヤニラミという名は、オスが卵を保護する様子から、縄張り意識が強いことから、体側の紋が睨んでいるようだから、など諸説がある。海水魚のメバルに似ているためカワメバルと呼ぶ地域もある。
棲息地の環境変化や外来魚の影響で個体数は減少傾向。2007年版の環境省レッドリストでは、絶滅危惧Ⅱ類に分類されている。一方、本来の分布域以外(分類・分布の項参照)では、侵入外来種として駆除対象となっているところもある。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。

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