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イトウ【伊富】生態編

【分類・分布】

サケ目サケ科イトウ属の魚。「日本最大の淡水魚」と呼ばれ、釣り人の憧れの魚のひとつ。
世界には日本で見られるイトウのほか、ロシアやモンゴルなどのアムール川水系に棲息するアムールイトウ、中国の揚子江(長江)に棲息するチョウコウイトウ、ヨーロッパのドナウ川に棲息するドナウイトウなどがいる。
日本のイトウは、樺太や南千島、サハリン、ロシア沿海州などにも棲息している。かつては岩手県や青森県にも棲息していたが、現在では北海道(道南を除く)でしか確認されていない。現在の南限は、尻別川とされている。

【形態】

全体的に細長く体高が低く、頭部も平坦。背と側面に黒い小さな斑点が散在している。稚魚の頃は体側に7〜10個のパーマークが見られるが、成長につれ不明瞭になり大型になると消失する。産卵期になるとオスは全体に赤味を帯びた婚姻色になる。
体長は1m前後から大きなものは1.5mにもなる。


産卵後の腹が細くなったイトウ

【生態】

日本のイトウは降海性があり、生後2年目の春以降になると海水に適応できるようになる。ただし北海道では、多くは汽水域までしか下らない。
オスは生後4〜6年・全長40cmほど、メスは生後6〜8年全長60cmほどで成熟する。産卵期は4〜5月頃で、川の浅い平瀬にオスが産卵床を堀り、産卵する。サケ科の魚としては珍しく、産卵後も死なずに数年間産卵をする。
産卵時のペアはオスのほうがメスより小さいことが多い。メスは5〜6回にわけて産卵するが、同じ場所で産むことは珍しく、回ごとに相手を変える。
孵化後、当初は水棲昆虫を捕食するが、体長が15cmほどになると小魚を捕食するようになる。さらに大きくなると、カエル、ヘビ、ネズミなども食べるようになる。寿命は長く20年以上生きるものもいる。

【文化・歴史】

イトウの名前は「糸魚」の意味と言われる(イトヨもこの字が当てられることがある)。サケ科の魚としては体高が低くて細長い姿をしていることからきている。生殖活動後のやせ細った個体からこの印象がきていると思われる。魚偏に鬼と書く場合もある。

数が減少しており、1999年には環境省のレッドリストでイトウは絶滅危惧ⅠB類に指定。北海道のレッドデータブックでも、絶滅危惧種に指定されている。
減少理由は、捕獲の影響も少なくはないが、河川や河畔林の開発、周辺の農地開発などによる環境変化が大きな理由と見られている。近年では釣り人や環境保護団体の保護活動などもされているが、回復に関する正確なデータは不明。

釣り人の間では、天然のイトウは、釣っても再放流することが励行されている。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池を釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。これまで釣った魚は350種以上。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者として独立。自著執筆のほか、多くの雑誌・書籍の編集に携わる。TVCFなどのフィッシングアドバイザー、DIYアドバイザーも務める。
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