【分類・分布】
ヨシノボリとはスズキ目ハゼ科ヨシノボリ属に分類される魚の総称で、ヨシノボリ属の魚は、以前はヨシノボリとゴクラクハゼの2種だと思われていたが、その語、鰭条数や模様の違いなどで別種として分けられるようになり、15種については学名が確定しているが、まだ学名が未確定な種も多い。
アジアの熱帯から温水の淡水、汽水域に広く分布し、日本でも各地に分布している。
【形態】
どの種類も、体長5〜10cm前後で、いわゆるハゼ型の体型で頭部が大きく、目が上についていて、口が大きい。第一背ビレは長く、胸ビレは大きく、尾ビレは丸い。体色や斑点などは種類によって異なる。
カワヨシノボリ。海に降りず一生淡水域でクラスのが名前の由来。やや小型。
ゴクラクハゼ。河川の下流から汽水域を好む。全長6〜10cm程度。
【生態】
渓流から都市部の河川、湖沼に棲息する。腹ビレは吸盤状になっていて、川底の石やコンクリートの護岸などに張り付いている。
食性はほぼ肉食で、水棲昆虫、小魚、魚卵、エビ、ミミズなどを食べる。藻類やデトリタスなどを食べることもある。
春から夏の産卵期になると、オスは縄張りを作って川石の下などに穴を掘ってメスを誘う。メスを狙って侵入してくるほかのオスを攻撃して追い払う。産卵後はオスが孵化するまで卵を守る習性がある。
仔魚は海へ下り、海で成長して再び川を遡るが、一生を淡水域で過ごす種類もいる。
【文化・歴史】
名前は、川を遡上する際に流れの横の岩場を遡ったり、葦の根元に登ったりすることもあるために名付けられたとされる。
関西を中心にゴリ、ゴリキ、カジカと呼ばれることが多いが、これはカジカ、チチブ類など小型のハゼ型の魚の総称として呼ばれるものだ。
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