魚をさばく基本は「三枚おろし」だけど、
魚の形や長さや大きさはいろいろ。
魚種ごとに適した方法をご紹介しよう。
マダイのさばき方
三枚おろしは、基本中の基本。マダイ以外にも大型青物(イナダ、カンパチなど)、スズキ、クロダイなども同様にさばける。一気におろそうとせず、少しずつ切り込みを入れて開いていく「切りはがし方式」でやれば、初心者でも美しくおろせるのだ!
1. ウロコ引きか包丁を使って、尾側から頭に向かってウロコを起こすように取っていく
2. 胸びれの後ろから斜めに包丁を入れる。裏返して同様に刃を入れ、背骨を断ち切って頭を落とす
3. 腹びれの上から斜めに包丁を入れ、腹の部分を落とす。ワタを出し、魚の外側、内側を水洗いしてウロコの残りや血などを落とす
4. ふきんなどでよく水気をとってからさばきはじめる。包丁の先で背びれのきわに浅く刃を入れて肩から尾まで切り込みを入れる
5. 切り込みからさらに深く刃を入れ、少しずつ身を中骨からはがすようなかんじでさばいていく
6. 刃先が背骨に達するまで、ていねいに身を切り開く
7. 腹側も同様に切り開いたら、肩側から背骨と身を切り離していく。腹骨の部分は、コツコツと刃が骨に当たる感触を確認しながら、ゆっくりと腹骨を断ち切っていく
8. 尾の部分で片身を切り離す
9. そして、魚を裏返して反対側も同様の手順でさばけば、三枚おろしが完了
10. 腹骨は、片手を骨の上に添え、包丁を斜めに寝かせて刃を手前に引いてすき取る。一度で切りきれない場合は、何度か刃を入れる
11. 皮を下にして半身をまな板に置き、中骨のキワに刃をたてて入れ、さく取りする。刃は先端を使って皮まで一度に切るようにしたい
12. 左手で皮をつまみ、身と皮の間に包丁を寝かせて入れ、皮を左右にふりながら引っ張るようにすると皮が引ける。包丁を動かす、というより、皮を引っ張るのがコツ
ヒラメのさばき方
五枚おろしは、ヒラメ、カレイ類、大型のカワハギなど平らな魚をおろす方法。三枚おろしができれば、とくに問題はないはず!
1. ヒラメはウロコが細かいので、スチールウールでごしごしこすって落とすのが一番簡単! 料理の本などには「包丁を寝かせてこそげ落とす」などと書いてあるが、これは意外と難しい
2. 頭は先に落としてしまったほうがさばきやすい。胸びれの後ろで切り落とし、ワタを出してよく洗い、水気をふきとっておく
3. 腹びれ(または背びれ)に沿って、肩から尾まで浅く包丁を入れる
4. 中骨の位置を指で確認しながら、それに沿って尾の付け根まで包丁を入れる。刃先が背骨に当たるようにしながら進めるのがコツ
5. 中央の切り込みから、中骨に沿って少しずつ切りはがすように腹びれに向かって切り開いていく
6. 腹びれ(背びれ)側から入れた切り込みまでつながったら、身を切り離す
7. 反対側も同様に切り開いて、身を切り離す
8. 裏側も同様の手順でさばく。身が4枚と骨が1枚の計5枚なので、「五枚おろし」
アジのさばき方
小型の魚、サバやカツオなど鮮度の落ちやすい魚は、同じ三枚おろしでも片身を一気におろしてしまう方法で、スピーディーに。
1. ウロコがあれば落とし、頭を胸びれの後ろで落とす
2. 腹骨の上から斜めに切り落とす
3. ワタを除いてよく水洗いし、ふきんなどでしっかりと水気をふきとる
4. アジの場合は、ぜいごがあるので、皮を引かないで使う料理の場合は(フライなど)尾側から包丁を寝かせて入れて、取り除く
5. 肩側から背骨に沿って包丁を寝かせて入れ、尾まで一気にさばく
6. 肩側の皮をつまんで引っ張れば、皮は簡単にむける(皮が簡単に引けない魚の場合は、マダイの12.を参考に、皮を引く)
イワシのさばき方
イワシは、身が軟らかく、非常に鮮度が落ちやすいので、アジのおろし方よりもさらにスピーディな方法で。また、身の軟らかさを生かして、手開きでさばく方法もある。
【スピードおろし】
1. ウロコがあれば氷水の中で洗い落として、水気をふきとっておく。エラブタの後ろから斜めに刃を入れる
2. なるべくワタは傷つけないようにすくうように刃を運び、尾まで一気にさばく
3. 腹骨が残っていれば、そっとすき取る
4. ワタはそのままでさばければ成功。骨に付いた身がもったいなければ、塩をふって素揚げにするなどしていただこう。刺身の場合は、この後、アジの要領で皮をむく
【手開き】
1. 頭の後ろを親指と人さし指でつまむようにして、背骨をちぎり折る
2. 頭と一緒にワタを抜き取る
3. 肛門まで指をすべらせて切り込みを入れ、流水の下でよく洗う
4.背骨に親指を添える
5. 親指を上下にすべらせるようにして、開いた状態になるまで背骨から身をはがしていく
6. まな板の上に置き、身をおさえながら背骨をはずす。フライなど尾付きで使う場合は尾の付け根で背骨を折り、つみれなどにする場合は尾ごとはずす。この後、腹骨が気になるようであれば、斜めに包丁の刃を入れて、すき取る
このページの記事は、旧・房総爆釣通信に掲載していた記事を再編集したものです。
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