釣った魚は最高においしくいただきたい。
それには、釣り場での締めと正しい持ち帰りが大切!
魚種別活き締め法
【シーバス、タイ、大型魚】
エラの上部(首の付け根)に脊髄が通っているので、ナイフを深く立てて神経や血管ごと断ち切る。
骨がかたい場合は、刃先を少しずらして骨の継ぎ目の軟骨に当てると切りやすい。大型魚の場合は、尾の付け根の脊髄も断ってやると確実。さらにバケツの海水に入れて、血抜きをしてからクーラーにしまおう。
この方法に向く魚
スズキ、クロダイ、マダイ、マゴチ、カレイ、ヒラメ、イナダ、カンパチ、ヒラマサ、シイラ、メジマグロ、大型のカワハギなど
【小型回遊魚】
サバ、小型のカツオなどは「サバ折り」と言われるように、釣り上げたらすぐにノドを断ち切って背のほうに折り、バケツの海水に入れて血抜きする。エラと内臓も取り除いておけば完璧。
血を抜いた後は、速やかにクーラーにキープしよう。
この方法に向く魚
サバ、ソウダガツオ、カツオ、ワカシ、大型のアジなど
【イカ・タコ】
目と目の間に、包丁、または釣り場だったらナイフやイカ締めピックを突き刺す。体色がサッと変わればOK。モタモタしていると、暴れて墨を吐かれるので、一気に手早く締めよう!
この方法に向く魚
マダコ、イカ類全般
【根魚、小型魚】
小型の魚の場合は、いちいち締めてられないので、冷えたクーラーに直接放り込むだけでOK。
ただし根魚でも大型のものは、活き締めしたほうが無難。
この方法に向く魚
根魚全般(メバル、カサゴ、ソイなど)、小型魚全般(アジ、イワシ、イシモチ、サッパ、キス、ハゼなど)
●川魚の場合は、カゴビクに入れていかしておき、帰るときにエラとワタを出して冷えたクーラーで持ち帰ってもいい。
防波堤などで温いバケツの水に釣れた魚を入れたままの人もいるが、鮮度が落ちるもとなので、速やかにクーラーに移そう。
クーラーの使い方
【基本的な持ち帰り方】
活き締めした魚は、じゅうぶんに血抜きしてからクーラーへ。このとき潮氷(海水に氷を入れたもの)に直接つけると冷えすぎてかたくなってしまうので、クーラーにいた氷や保冷剤を入れ、氷焼け防止と氷持ちのために新聞紙を敷いた上に魚を乗せるのがいいだろう。冷気は上から下へ流れるので、さらに砕氷をのせるといい。そのときは魚はビニール袋に入れるとベター。
【青魚など傷みやすい魚の場合】
サバやカツオなどの傷みやすい魚は、タップリの潮氷に直接入れて急冷するといい。これによって身の自己消化を送らせることができ、腐敗バクテリアの繁殖も防げる。血抜きが甘いと海水が血水状態になってしまうが、むしろ適度なph濃度になって、身が傷むのを防いでくれる。
【タチウオの場合】
タチウオを持ち帰るときは、潮氷にいれて持ち帰ると、体表にある銀色のグアニン質が、氷に当たってボロボロにはげてしまうのだ。もちろん、見た目だけでなく、味も食感もだいなしになってしまう。タチウオは、板氷のうえに新聞紙を置いて、その上にきれいに並べ重ねて持ち帰ろう。
【その他の注意点】
●ヌルヌル系魚(例えば、メゴチ、ヒイラギ、カレイ、タコなど)がいると、そのヌルヌルが他の魚まで及んでしまうので、その魚だけでもビニール袋に入れておくと、後々の処理が楽。
●ウナギ、コイ、モクズガニなど、食べる前に泥を吐かせたいものは、ブクブクを準備しておいて生かしたまま持ち帰りたい。
釣り場でも、クーラーのフタの開け閉めは最低限にするのが原則。小さな開閉口があるタイプのクーラーは、できればその部分の開閉のみで済ませたい。また、クーラーを日なたと日陰に置いた場合では、効果は全然違うので、釣っている最中のクーラーの置き場に気を使いたい。
●クーラーを忘れたときに限って爆釣……という場合は、市場、鮮魚店、スーパー、釣具店などで発泡スチロールのトロ箱を買うorもらってきて、それをクーラーかわりにすればOK。トロ箱を入手できないときは段ボールは小の内側に大型のビニール袋を広げて即席クーラーをつくるのも方法。箱のまわりをキャンプ用マットなどで囲むことができれば、多少保冷力がアップする。