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ブルーギル 生態編

【分類・分布】

スズキ目サンフィッシュ科ブルーギル属の淡水魚で、一属一種。サンフィッシュ科には、ブルーギル同様、北アメリカからの外来種であり、人気釣魚であるブラックバスが知られる。
ブルーギルは戦後日本に移入され(詳細は後述)、現在では北海道から九州、沖縄本島など、全国的に繁殖している。

【形態】

体高があり側扁した体型で、体色は背側は青みがかった灰褐色から暗褐色、腹側は銀白色。体側に7〜10本の不明瞭な暗色の横帯がある。エラブタの上後方が丸く突き出していて、その部分が藍色から灰色になっている。英語でエラのことをgill(ギル)といい、青いエラの魚という意味でブルーギル(bluegill)という名がついたとされる。
産卵期にはオスには婚姻色が現れる。上アゴに淡青色の帯が現れ、腹部は黄色から朱色に変化する。
冬に暖かい地方ほど大きく育ち、日本では最大で体長25〜28cm程度。原産地の北アメリカでは40cm近くまで成長する。

エラブタの後方が突き出ていて、その部分が青黒いのがブルーギルの特徴

【生態】

平野部の湖沼、池、流れの緩やかな河川に棲息する。水草が茂り、水があまり濁っていないところに多く見られる。適水温は15〜22℃程度。
数匹〜数十匹の群れで生活し、食性は雑食性で水棲昆虫、甲殻類、小魚、魚卵などのほか、食べ物が少ない時などは水草も食べる。
産卵は春から夏で、オスが砂泥底、砂礫底の水草の間などに縄張りをもって産卵床を作り、メスを笹生。産卵後はオスは卵が孵化するまで見守り、ヒレを動かすなどして卵に酸素が行き渡るようにしたりする。孵化後も1週間ほどは仔魚を見守る。
成長は1年で5cm、2年で8cm、3年で13cm、4年で16cm程度とされ、20cmほどに成長するのに6〜7年かかる。

【文化・歴史】

ブルーギルが日本へ移入されたのは、1960年(昭和35年)。当時の皇太子が日米修好100年を記念して渡米した際、シカゴ市長を通じて贈られた15匹のブルーギルを持ち帰ったのが最初。東宮御所の池に放たれたほか、東京の水産庁淡水区水産研究所に贈ったものが、飼育後伊豆の一碧湖に放流された。
それが各地の河川湖沼に移植され、今では全国的に棲息している。
食用魚としては普及しなかったが、繁殖力が強いため現在では在来魚の生態系を脅かす存在となっている。ブラックバスと同様、2005年には「外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)」で特定外来生物に指定され、飼養・生体の運搬・移植が原則禁止された。

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プロフィール

生まれ故郷近くを流れる利根川・手賀沼にはじまり、国内外の海・川・湖・沼・池・・・と、ホソのマブナから南海のジャイアント・トレバリーまでを釣り歩く「さすらいの五目釣り師」。また、生来の手作り好きが高じて、20代はログビルダー、塩作りなどの職も経験。
出版社で雑誌編集に携わった後、独立。それを機に家族とともに房総の漁師町へ移住する。釣りの楽しさ、DIY・田舎暮らし&自給自足、アウトドア、料理、保存食などの世界を紹介するライターおよび編集者。詳しくはこちらへ。

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